アニメ氷菓ぜんぶみた、福部里志、青春は刹那的なことについて
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2015/02/27
- メディア: Blu-ray
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で、主要キャラのひとり、
福部里志(ふくべさとし)に私はヤラれた。
と前の記事でかいて、べつにいいのに、別記事で語るわって書いてしまったのでその記事。
ほんとうに、どうでもいいよね。
まあみんな、こんなくだらねえブログに辿り着いてしまったのだからどうせ暇でしょ、ちょっとつきあってよ。
まあ、ああいったサルみたいな髪型してるキャラはけっこう好きで
(ナルトの我愛羅の初期とか、かわいかったね)
そやけど、完全に、福ちゃん(福部里志)に完全陥落させられた瞬間つうものがはっきりとあったので記録しておこう。
(ペンタブを手に入れたので里志を描いてみた。むずかしい。
好きなキャラを夜な夜な描くとか中学生に戻ったみたい。)
文化祭で、漫研の女の子、まやかちゃんが萩尾望都の「11人いる!」のフロルのコスプレしてた。
まやかに里志は、「何のコスプレ?」って訊くんだけど、まやかはボソッと「…フロル」と答える。
普通だったら、普通の男子だったら、「フロル」って言われてもぜんっぜんわかんないと思うんだよ。
なにそれ、ってなると思うんだよ!
「11人いる!だよ」「萩尾望都だよ」なんつってもわかんないと思うんだよ。
だけど里志は「フロルベリチェリ・フロル?」って!
わかってくれんだよ!フルネームだよ!フロルのフルネームはフロルベリチェリ・フロルだったよ!(?)
私は、アニメの中と言えども、男子高校生の口から「フロルベリチェリ・フロル」という単語が出てきたということにいたく感動してしまった。
里志!福部里志いーーー!!つって、
まあその瞬間に陥落、したんだよ。
つうか、まやかちゃんのフロルコスの完成度はかなり低いもので、私も最初はなんのコスプレだかわからんかった。
だって、髪型が自前の茶髪のショートボブだったんだもの。フロルといえばきらっきらのくるくるののロングブロンドヘアでしょう?
それを無視してフロルの服だけだったから、「…フロル」って言われても分からんかって、で、里志が「フロルベリチェリ・フロル?」って言ってくれたから分かったんだよ。
ああ、「11人いる!」のフロルか!とわかったんだよ。
すげーんだよ里志は。
さすが、「データベース」だよ。
あと、「こだわるのをやめた」という里志は、自分に好意を寄せているまやかちゃんを拒絶する。
なぜか。まやかちゃんはいい娘だ。
里志と、すごくお似合いだと思う。
なぜか。
恋は、まやかちゃんと付き合うということは、「まやかちゃんにこだわる」ということで、
自分の「何にもこだわらない」という信条に背くことになるから。
里志いーーー!
まあ、里志は考えた末、まやかちゃんと付き合うことにしたんだけれど。
よしながふみの漫画、「愛すべき娘たち」の中に、なんかおんなじような話があったことを思い出す。
「人を分け隔てないこと」を教えられてそれを正しく守り続けて育った女性が、「私は恋ができない」ということに気付いてしまう。
なぜなら、恋をするということは、人を分け隔てるということだからだ。
…っていう話なんだけど。似てませんか。
この女性は「祖父に教えられた」ことだから自分の「人を分け隔てないふるまい」を変えられなくて、恋はあきらめて修道院に入った。
けれど里志は、「こだわらない信条」を曲げて、まやかちゃんを選んだ。
なんだかね、青年らしくていいなと思います。
自分で勝手に決めた信条を頑張って守るところも、それを悩んだ末に破るところも。
で、里志のことを色々思い出してたら結局は、「氷菓超おもろかった」っていう。
千反田えるちゃんも、ナチュラルに「モテ」を振り撒く(話すとき顔近いとか)ヤな女か!?などと思っていたのだけど、自分がどういう人間なのかとか自分の得手不得手を考えて、将来を見据えるしっかりした女の子だった。
そんなえるちゃんにむっちゃちょっとずつだけど惹かれていく奉太郎の様子、
そして最後に完全に恋に落ちた瞬間の画面の美しさなど、すげえよかった。
あんなのは…恋に落ちるよな。
非日常、特別な装いはやっぱりすごい力がある。
一緒に見ていた家族は「そこで終わるんか!ふたり(えると奉太郎)は付き合うのか付き合わんのかどっちだ!気になる!」みたいなことを言ってたけど、
私はそんなん、どーーーーーでもいい。
えると奉太郎が付き合っても、付き合わなくても、付き合って結婚しても、しなくても、どーーーーーでもええ。
高校時代、こういう1年があって、あんな美しく胸を打つ瞬間がありました、って事実があるだけで、私は充分だ。
青春は刹那的なもの。それが美しくて苦しい。
うれしくてたのしくて、この瞬間がずっと続きますように!って思っても、続かないことはわかってる。さみしい。
そして、つらくてつらくて世の中を呪って、はやくこんな時間は過ぎてほしい、大人になって遠くへ行きたいと思ったりもする。
「氷菓」はそんな刹那的青春を私に思い出させてくれたなあと思う。
レンタルで一気に見るんじゃなくて、リアルタイムで1話1話をゆっくり待ち続けながら見たかったなあと、初めて思った。
ひとつだけ文句をつけるとしたら、奉太郎の冬の装いのコートがすごく変だったことだ!
白いトレンチコートて!
高校生にはダッフルコートやろ!
トレンチはないわ!