アゴタ・クリストフ ふたりの証拠
- 作者: アゴタクリストフ,堀茂樹
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1991/11
- メディア: 単行本
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悪童日記のラストで、語り手の兄弟は別れてしまった。
そのうちの、「おばあちゃんの家に戻った」ほうの、リュカのはなし。な、名前があるぞ!
というか、登場人物にきちんと名前があって、前作よりよそよそしさは減っているし、
なによりリュカが、マティアスという子供を、本当の子供ではないけどきちんと育てて「おまえは僕の息子だ」とか言って彼が死んだときは悲鳴をあげたので、びっくりした。
しかし、やはり喜怒哀楽がない文章なので乾いてる。
簡単に人はいなくなる。
濃密な時を一緒に過ごした人物でも、あっさりといなくなる。
気付いたらいなかった、くらいのかる~い感じで片付けられる…
そういうふうにして、めまぐるしく登場人物は入れ替わり、物語は展開していくので、先が気になり、気付いたら読み終わってたよ…
おもしろかったよ…
そして一体、リュカに兄弟はいたのか…ほんとうに「ふたり」だったのか?
ということが謎。
リュカがマティアスに言った、
「自分にあまりに辛いこと、あまりに悲しいことがあって、しかもそれを誰にも話したくない時には、書くといい。助けになると思うよ」ってのは、本当だよなあって思います。
「悪童日記」の記事もあります。役に立ちませんが
アゴタ・クリストフ 悪童日記 - ただ読んだ本を記録していくだけのここ