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押見修造 ぼくは麻理のなか4巻

きた!きたよ!

麻理になった功は、自分のままの自分に会ったことで、けっこうふっきれた感じになっている。
そのおかげで、柿口さんとの関係もいい方向に向かっている。

それにしても…
「憧れの女の子の肉体に乗り移り、その肉体で自慰をすることは、その女の子と性交をしているイメージを得られる」というのには、私は神妙に「ほう」とか思ってる。これは…この倒錯は…初めて出会う倒錯だなあ。
功は、麻理のまま、「いちばんしたかったこと」を実行する。それが、自慰だった。鏡を見ながらのその行為のなかで、功は、まるで麻理と性交をしているかのようなイメージを抱く。いや、それが目的での自慰だったのだと思うけど。功は、麻理と一体化することを願う。
そこで、麻理の携帯に「麻理からの電話」がかかってくる。
どうなるんやーー!自慰がポイントかー!?

(作中では、「オナニー」ってあったけど、私その単語が嫌いで嫌いで仕方ないので自慰。ねっちょり感がいや、なんなの、何語だその文字の組み合わせは!と思う)


麻理の友達、ももか達に、「だまれヤリマンども」って言ったところはすごくよかった。
あそこの、麻理がももか達にさんざんシカトされたあとの「仲直りしようよ」エピソード、ももかの醜悪ぶりは本当にすごかった。ついでに、問題の男、ナオキのクソぶりも露呈されたし、全てが最悪だった。
そこで「だまれヤリマンども」だったので、本当にスカッとした。
柿口さんの
「そうやってねたんでつるしあげて ヒロキとかいうくだらない男盗っただの盗られただのコソコソ言いふらして 狭い世界で閉じこめあって 少しでもそこから外れたら囲いこんでいじめて それが親友?だったらそんなのいらない ひとりでいる方がマシ」
ってのもよかった。

だいたい、訊いてもいないのに、自分の優位さを示すために性生活をペラペラ話す女なんてろくなもんじゃない!お里が知れる!
(ももかの事)

…と、思います。


相変わらず、あとがきもすごく面白い。
すごくわかりやすい。
あんなもやもやしたものを、言語化できてるの羨ましい。
いろんな人の、「エロスの原体験」を知りたいな、などと思う。


3巻までの記事もあります。

押見修造 ぼくは麻理のなか1,2巻 - ただ読んだ本を記録していくだけのここ

押見修造 ぼくは麻理のなか3巻 - ただ読んだ本を記録していくだけのここ