南Q太 グッドナイト1巻
南Q太の新刊!!なんだかわからないけど、「ひらけ駒!」も止まっているし、こうして南Q太のマンガが読めるのは幸せ。
それにしても、南Q太の漫画は「人生ってしんどい」っていうのが根底に有るような気がする。ずっとしんどい、しんどいけどやり過ごすしかないっていうキャラクターばかりのような気がする。そして「結婚はつらい」っていうのも、「人生ってしんどい」というのと同等に漫画の中にある。…と感じている。ほかの漫画で、「つらくない結婚などない」って書いてたし。
南Q太の漫画はほぼ全て読んでいる、と思い込んでいる私だけども、この漫画は、南Q太読みとして史上最高にしんどかった。ページをめくるのが怖かった、セリフ全部が辛かった。
帯には、「モラハラ義母、意地悪な義姉、頼りない夫。孤独で切ない結婚生活」とある。いや、そうなんだけど、そんなもんじゃないよ。
主人公の晴子は、結婚して、夫の両親と同居する。
そんで、その姑がね…もうクソババアなのよ、絵に描いたような、底意地の悪い、えげつない、姑なの。
早朝、息子夫婦の部屋を覗きながら「晴子さん早く起きて朝食の支度して」「ゆうべはちょっとうるさかったねえ」「眠れなかったよ」などと言う。きめえ。
この漫画の一番のつらいところは、「娘を勝手に養子に出される」というところ。晴子は、生まれたばかりの娘を抱きながら、姑に言われる。
「もう親族会議で決まったことなんだからね」
「その子は和雄(晴子の夫)の姉の寿子にやる」
「寿子のとこはもうこどもはできんのよ だから くれてやってちょうだい」
「あんたはまたこれからどんどん産んだらいいから」
「親戚なんだからいつでも会えるんだよ なに泣くことあるのよ」
つらい。
そして、またその娘がかわいく成長するの。デブスな義姉とともに、しょっちゅう晴子の住む実家に遊びに来るの。そんで娘は義姉のところで愛されて育ってるの。それを、晴子は娘に「おばちゃん」と呼ばれながら、姑と義姉に「さっさとご飯作れ」とか言われながら、過ごすの。
晴子には息子が出来てるんだけれども、その息子がもう全然かわいくなくて、なにがかわいくないって姑に顔がそっくりなところ。この対照的なこどもふたり。この違いも辛くて、切ない。
結婚した当初はほんわかしたかわいい女性だった晴子がどんどんすさんだ顔になっていくところとか、姑と義姉のブスで意地悪そうな姿形とか、上記の晴子の子供ふたりの違いとか、絵面がすごい。(南Q太は、変なババアを描くのがうまいと思う。「夢の温度」の町子さんの母親とか)
また帯の話で恐縮なんだけど、帯の後ろに「最後のページ、いつも泣いてしまいます」ってコメントが載っていて、どんな泣け方なんじゃいと期待していたら全然泣けるようなシーンじゃなくて、意味がわからなかった。どの最後のページだ?期待させないで。…というふうに、漫画についている帯には「何言ってんだ?」というようなコメントが多々あってどうにかしてほしい。