佐野洋子 コッコロから
この、やる気のない装丁…
だっさいフォント…
全てがどうでもよくなるくらい、いい話だった…
裏表紙には、「打算に走らず自分の心に正直で真直ぐな亜子の、爽快で抱き締めたい程可愛い恋物語」とある。
うん、抱きしめたい。
フィクションにおいて恋愛は、美男美女がするものだという暗黙の了解(私の中で)をブチ壊し、こんなことは思ったことがなかったが初めて、「私も恋愛したい!!」と思ってしまった恋愛小説であった。
「見てると安心する」ような、何とも言えない顔らしい。
もう全然想像できないけど、東大生で家柄もよく、男前のマコトくんはそんな亜子ちゃんを好きになってしまい、亜子ちゃんもマコトを好きになっていくんだよねえ。
マコトは、ジョン・ローンのような顔をして、外車で迎えに来てくれ、バラの花束なんかを送ってきたりする。別荘に招待してくれたり、もうなんか、完璧なのだ。
私が説明しただけでは、「ケッ」って感じなんだけど、佐野洋子の手にかかればあら不思議、私もマコトの魅力にどっぷりだ。
もちろん、亜子ちゃんも、ものすごくかわいく、なんていうか…
解説の角田光代も言っていたんだけど、「亜子ちゃんになりたい」という、メラメラとした欲望が湧き上がってくるのだった。
ああ、「恋愛したい」じゃないな、「亜子ちゃんになりたい」んだな。
自分に、次、娘が生まれるようなことがあれば、「亜子」と名付けたいくらいだ。
そうそう、マコトには大人の女のセックスフレンド的なものがいたのだけど、CAでさ、この人、思いっきり…矢沢あいの『NANA』の凌子さん(シンと付き合ってたショタ女)みたい…
CAのイメージ、悪!!