とり・みき クレープを二度食えば に流れる、フリッパーズ・ギターのドルフィンソング
この漫画、すっごく面白かった。
私が好きな漫画はだいたい私がよこしまな気持ちを持って読んでいる漫画であり
友達や家族に大手を振ってオススメできない、そんなうしろめたさがあった。
この漫画は家族友人果ては見知らぬあなたにも、これすっごく良いから是非読んでくれっつって
有無を言わさず相手のかばんに突っ込む、または部屋に強引に置いて帰って、
そして私のセンスの良さを余すところなく見せつけられる、そんな作品ばかりだった。
そして、とり・みきは漫画描くのがすっごくうまいな、と思った。
漫画描くのうまいって、私が生まれる前から漫画家で活躍してて揺るぎない地位を確立しているとり・みき氏になんちゅう失礼なことほざいてんだよって感じだけれど、本当にそう思った。
とにかくすべての話がものすごいクオリティであり完璧な世界であった。
私は「もうひとつの転校生」と「クレープを2度食えば」と「カットバック」がお気に入りだ。
ええもん読んだ…
「クレープを二度食えば」はタイムマシンもの。
そして…私の大好きなフリッパーズ・ギターが扱われていた!!
フリッパーズギター漫画だこれは!!
フリッパーズに始まりフリッパーズに終わっているだろう?そう思うだろう?
1984年から1992年に来た少女に、1992年の少年は音楽でも聴こうと持ちかけ、「レコードは?」と1984少女が言う。1992少年は「ない。今は新譜はCDでしか出ないんだ。と言いながらフリッパーズ・ギターのアルバム「ヘッド博士の世界塔」を取り出し、
「ドルフィンソング」をかける。
「ほんとのことが知りたくて 嘘っぱちの中旅に出る イルカが手を振ってるよさよなら 真珠と眠りと向こう見ずを逆さに進むエピローグへ 君がわかってくれたらいいのに いつか」
…
少女との別れが来たとき、「ほんとのこと知りたいだけなのに、夏休みはもう終わり…」って、街中で流れるフリッパーズ・ギター。
そしてふたりが再会した時でも流れるフリッパーズ・ギター。
そう、フリッパーズ・ギター「ドルフィンソング」は、ふたりの思い出の曲なのだ…ああ、最高。
初出を確認してみると、「1992年進研ゼミ 中3チャレンジ」…進研ゼミ!?
なんつうクオリティの漫画載せてんるんだ進研ゼミ!
いやでも、そういえば…私が現役進研ゼミ生だった時は、しりあがり寿が連載してた。地味にセンスを光らせている進研ゼミ。
さて、この漫画は「涼宮ハルヒの憂鬱」に出てくる長門有希さんがセレクトした100冊の中に入っているようだ。あとがきにかいてあった。
「涼宮ハルヒも読んでみろよ」と言う神さまのお告げかもしれないな。(読んだことない)