皆川博子 猫の夜
やっぱり皆川博子はすごいわ…
すごい文章書いてる。
「黄昏は奔馬のように街を踏みにじり、太陽をビルのむこうにひきずり下ろした単車の群れは炎の柱となり、幼女のスカートは切り裂かれ、やわらかい股間はえぐられた。」
これは「猫の夜」という小説の冒頭。
この冒頭のインパクトが凄まじくて内容が入ってこないほど。
なに、これは、詩ですか?
こんな黄昏、ある?
私はこれ、気に入りすぎて何回でも読める、切り取って、鞄のポケットに入れておきたい、そして私が死んだ暁には、この文章を切り取って、棺桶に入れて一緒に焼いてほしい。そうやっていっしょくたに灰になれば、私はこの文章に溶け込めますかね? この文章は私の一部に、私はこの文章の一部に、なれますかね?