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「借りぐらしのアリエッティ」の面白さがようやくわかった2017年夏

金曜ロードショーでやってた「借りぐらしのアリエッティ」を久々に見たんですけど、私、昔劇場で見たんですけど、当時感動しなかった全てが感動に変わっていて焦りました。
アリエッティ・最高におもろい。やっと気付きました。

初見では、アリエッティ、翔くんのふたりの印象ががぼやけたままだったんですよ。
アリエッティが小人すぎて、冒険が全て家の中で済んでしまうというスケールの小ささにちょっと物足りなさを感じていました。
スケールが小さい故に見いだせなかったアリエッティの魅力。
あと、翔くんの人となりが全然掴めず、アリエッティにしつこくせまりすぎで怖かった。グイグイいくなこいつ、アリエッティ逃げてと思っていました。


しかし今回、わかりました。わかりましたよ私は。
翔くんはこの映画のヒロインだったということに!
そうと決まればあら不思議、アリエッティの魅力も見えてくる!

翔くんは、心臓が悪くてあまり動けない、雨のなか庭を歩いていると「体に毒よ」などと言われる、小人を受け入れるというファンタジー好き要素あり…そんな男子です。
まるで少女漫画の病弱美少女みたいじゃないですか!!
家はお金持ちっぽいけど両親が不在っていうのもまさに薄幸。
決定的だったのは、終盤、猫のニーヤに促されてアリエッティのもとへ走る翔くんの走り方ですよ!!
息を切らせながらこけつまろびつ走るあの走り方は、今まで女の子がやってきたやつっぽくないですか?
もちろん翔くんは心臓が悪いのですぐに息は切れるだろうし運動もしてこなかったから走り慣れていないだろうし足元は悪いしつっかけだしでこけつまろびつなんでしょうけれども、それでも「ジブリのヒロイン走り」としか言えないような走り方を翔くんはしていました。
みんなそれをふまえてそのシーンを見てくれよ。(ジブリのヒロイン走りに定義はないんだけども…イメージです)

翔くんはアリエッティを助けるヒーロー的役割もしてるんですけど、それはアリエッティが小人で翔くんが人間だから可能だった、ただそれだけのことで、たぶんふたりが同じ体格であれば断然アリエッティの方が強いでしょう。
体格差で圧倒的有利だから翔くんがヒーローに見えただけで翔くん単体で見れば「悲劇のヒロイン」なんですよ。
自分は手術したってもうダメだオーラを纏っていたし(今までの人生辛かったんだろうなと想像できますね)、「最後の一葉」状態。

対称的に、アリエッティの活き活きとした姿。
お父さんについていきたがる行動派。剣(まち針ですが)を腰に差して戦うのも厭わない武闘派。
アリエッティは「かっこいい女の子」だったんだ…!
見える、見えるぞ…!アリエッティと翔くんが同じスケールだったとしたら、アリエッティに守られる翔くんの姿が見えるぞ…!(この妄想楽しいな!?)

まあ、だからなんだというと、ヒロインは翔くん、という目線で観たらとてもしっくりきた、というおはなしでした。

あとは、私は最近古い家を見るのが好きなので、舞台が最高でした。
あの屋敷!ステキすぎる。
アンティーク!アンティークなおうちだわよ鬱蒼とした緑に囲まれているわよ!!と私の古い家を愛でたい気持ちがぐわんぐわんに騒ぎ出すのなんの。
歴史を物語るものの多さや、あまり手入れされてない感が、とても小人が暮らしやすい家になっていますね。
そうすると、ミニマリストの部屋は小人、住まないでしょうね。物なさすぎて。隠れるとこないし、ものが無くなっていたらわかりそう。
面白いことに気付いたよ。