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ただ読んだ本を記録していくだけのここ

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大島弓子 ダリアの帯

ダリアの帯 (白泉社文庫)

ダリアの帯 (白泉社文庫)

昭和60年くらいの大島弓子
大島弓子の漫画は、いつも突拍子もない設定ばかりなのでほんとうに楽しくてわくわくする。
タイトルだけみても、内容が想像つかないとことか。
「乱切りにんじん」て!!
あと、文章がとてもきれいで、いつも読んでて心地よく、小説みたいだなーと思う。
漫画も、文章大事。セリフもだけど。

きょうだいげんかなんて
売りことばに買いことば
瞬時のうちに
ののしり語句をひねりだし
思いきりよく 相手にぶつける
花火のうちあげごっこのようなもの
ところが 時どきその中に
意外な重大事項が秘められていることもあるんです

(「水枕羽枕」冒頭)
なんて、リズムよくていい。

いやあ、水枕羽枕はよかった。
姉妹の愛。
堕胎されるはずだった妹をこの世に誕生させた姉。
そのことを知った妹。
「生まれていなければあたしは今どこでなにしてるの」
と考える。
姉にピンクの花束を買って帰る。
姉は、「こんなにバラ買ってパーティーでもないのに花買うお金あったら貸したお金かえしてよ」
なんて言ってる。
妹は、姉に自分の日記を読まれていることを知っているので、日記に手紙をかく。

海ちゃんわたし今日校庭の桜の木の下で林野ひさしに日曜日にまた映画にさそわれました
わたしはドラマみたくはやれないよって言うと
林野ひさしはそのほうがスリルとサスペンスにとんでよろしいのではないかということがわかったと言いました
なにがスリルとサスペンスだ
でもあたしの胸は充分林野ひさしのことでいっぱいだったので
日曜日また映画みに行くと言ってしまいました
あたしうれしかったです
生まれてよかった
海ちゃん
ずっと前のピンクのバラは海ちゃんへのわたしの感謝の気持ちでした

海ちゃん ありがとう

わたしはこんなかわいい手紙を読んだことない。
引用してても楽しく、これは好きな絵を模写してるのと同じたのしさ。

もうひとつ、好きなのが、
「サマタイム」の冒頭。

盛夏の夕食時
今や過疎化しつつある
小さな山村の
送電線が切れた

なんと簡潔な文章であることよ。


私は大島弓子の文章を読みたくて大島弓子の漫画を読んでいるのだと、気付いたよ。