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ゴトウユキコ 水色の部屋下巻

水色の部屋<下>

水色の部屋<下>

あら!もう下巻出てる早い!
時の流れが早い!私もええオバハンやな!
と思いながら買ってきた。
どうでもいいか。
私がこの漫画をどんな気持ちで買ったかとかどうでもええか。

いやあ、暗かった、暗かったし辛かったし怖かった。
作者のゴトウユキコさんが、あとがきで「暗い映画を観てるような漫画が描きたかった。」と仰ってた。
ほんとうに、暗い映画を観ているようだった。

しめくくりまではほんとまじで古谷実の漫画みたいな、全ての事象が悪い方向へと向かっていく最悪な展開になっていって息苦しかったのだけど、
最後は霧が晴れるようにみんなの行き場所が決まっていった。
上巻冒頭の正文の「水色の部屋の夢」ってこれだったんだねって、さわやかな気持ちにすらなった。

正文が欲情していた母親のサホさんは、ただひたすらに「正文のお母さん」であっただけだった。
小学生の正文、高校生の正文、全く同じ息子である。
正文は息子である…それ以上でも以下でもない、大事な息子である…
それを正文も普通に知っていて、
お母さんを傷つける奴は許せないし
お母さんには幸せになってほしい、
だから離れたいと思うのは当然だった。

京子ちゃんも本当にドン底まで叩き落とされて
尊厳を奪われ居場所を奪われ…
悪意を振り撒く河野くんはマジ怖かったな。
彼にも寂しさみたいなものがあったんだなって描写はあったのだけど、
彼には救いはなくて堕ちてくだけで、そんな展開もすごいなあ。

ボブになったサホさん、ソバ屋の制服京子ちゃん、かわいかった。

すごく面白かった。
もっとゴトウユキコさんの漫画を読みたいなと思う。


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