ただ読んだ本を記録していくだけのここ

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桐野夏生 だから荒野

だから荒野

だから荒野

冒頭、読むのつらかった。
46歳主婦が、自分の誕生日なのに夫から息子からないがしろにされまくるところから始まるのだ。
それで我慢ならなくなって、主婦は家を出る。
家の車で、夫と息子ふたり(大学生と高校生)を捨てて。
ここらで少し、視界がひらける。
高速道路をずっと、東京から長崎まで行くの。
友達に相談しながら、買い物しながら、人に騙されながら、人に助けられながら、高速道路を行く。
平凡な人の、非日常。荒野からの脱出。
私は、高速道路に乗る(誰かの運転で…)が好きなので、読んでて楽しかった。

主婦は、結局は家に戻るのだけど、夫や息子、最初はただなんて嫌な人達なんだろうと思ってたけど、読むにつれて「あー、こういう人だったんだな」と思えてくるし、主婦も主婦で自身にも問題はあったんだなということがわかってくるしで、私が感じていた冒頭のつらさはいつのまにか消えていた。

桐野夏生は本当に読みやすい。すいすい読めて、そしてとっても面白いしハラハラするしぐさりと精神にくる。

この記事おもしろかった。

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