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ただ読んだ本を記録していくだけのここ

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川上未映子 きみは赤ちゃん

 

きみは赤ちゃん

きみは赤ちゃん

 

川上未映子の新刊。エッセイ。妊娠出産子育てエッセイ。

アマゾンで品切れしてて、川上未映子本人が動揺していた…ブログで、思いっきり動揺していた…。

発売日から数日後にイオンの本屋で普通に購入した私!!よかった。


この本は本当に危険だ。妊娠出産のあれこれ…とくに滅茶苦茶に辛かったことが頭が割れそうなほどに思い出されてくる。
みえこになったつもりで、夫のあべちゃん(阿部和重)に憤慨したりした。
しかし笑ったりもできる。
みえこが、「この子のためだったら死ねる」とまじで死にかねない勢いでそう思った時、あべちゃんに「この子のために死ねるか」という質問をしたら、あべちゃんは言いよどんだそうだ。
それに対してみえこ、
「ハーン…そうか、死なれへんねんな。あんたは、この子のためには死なれへん、と。ハッハン…さすが父親やな…さすが、どこまでいってもしょせん社会的存在である父親さまやな…」
と言い放つ。
もうなんか、「ハーン…」で笑ってしまう。みえこは真剣だ、でも笑ってしまった。

子供が生まれて、母親と父親になったふたりの、子供に対する熱量の差。
これが切なくて、苦しくて、本当に苦しくて、どうしたらいいのかわからなくて、孤独で、家庭は戦場と化してしまうけれど、なんだかどこかで可笑しくて、笑ってしまう。これは、川上未映子のエッセイの勢いがそうさせてる。
すごいな、すごい勢いだ。

他人の妊娠出産の話を聞くと、そうそう、同じだった私も!と思うところと、いや、私はそうじゃなかった、全然ちがう!と思うところとあって、どちらの話もとても興味深い。

みえことつわりの辛さは同じだったけれども、あんな、全てを喰らい尽くすような食欲は、私にはやってこなかったし、ずっと気持ち悪いままだったし、胸も、あまり大きくならなかったし、乳首も、「電源を落とした液晶画面の黒」にはならなかった。
つうか…液晶画面の黒って…漆黒やん…そんな色に人間の皮膚が変化するなんて本当に妊娠ってしんどいわあ。

ほんとうに。