ただ読んだ本を記録していくだけのここ

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佐野未央子 チマちゃんの和箪笥

 

チマちゃんの和箪笥 (マーガレットコミックス)

チマちゃんの和箪笥 (マーガレットコミックス)

 

 私の「着物を着て生活してみたい」「もう洋服わからねえつかれた」「着付け習ってみたい」「結婚式、着物で出席したい」などといった、着物に対するあこがれをバシバシ刺激してくれた漫画。

 

洋服選びが苦手な朝子は、「きもので暮らしてみたいなあ」と思う。

そんな時に、大学の着物サークルに入るのだけど、そのサークルの部長は朝子に「チマ」という名前を付ける。

部長曰、着物、すなわち和の道に惹かれる人は、その人の中の「童」がそうしたがっているのだと。

あなたの中の「童」に「チマ」という名前を付けたのです。と。

朝子は、自分の中の「チマ」を大事にし、着物の道を進んでいく。

 

朝子は、「チマ」として生きる。

東北の城下町で小さな呉服屋を営み、ご近所さん、常連さんたちと楽しく過ごし、近くに住む祖母の犬の散歩をしたり、している。

そんな日常に溶け込む着物。

自分の、ストレスマックスの生活ぶりに嫌気がさしていたのでもううらやましくて仕方がない。

自分の好きなことを仕事にしているとか、その仕事の余裕ぶりとか、男前で金持ち、仕事もできてしかも着物もかっちょよく着れる粋な男といい感じになるとか、冷静になってみれば「おい人生なめんなよ」と言いたくなるような筋書きだけれど、着物に憧れる子育て家事に疲れ切ったいち主婦には沁みまくったのだった。

 

だからこれはおとぎ話のカテゴリー。

こんな生活良いなあって、ただただ憧れるためだけの漫画だ。