近藤ようこ 五色の舟
あー、超面白かった。
面白かったっていうか、私の趣味ドンピシャっていうか、読みながらドキドキが止まらなかった。
「戦時を凛凛と生きる、見世物一座の旅。」
と帯にはあった。
私、見世物一座に弱いんだよ…
もうこれは丸尾末広のせいなんだと私ははっきりと言える。
こう…グロテスクなものを、恐々見る感じ。
本当は、うわあ、すごいすごいって目を爛々とさせて見てはいけないんだろうけど
どうしても見たい、見てしまう。
うう、背徳。その背徳を背負いながらも
「見てものは見てえんだ!」って見ちゃうんだよね。
って、私は見世物一座を見たことなんかないのだけど。
近藤ようこの絵は、シンプルなようでいて、ものすごい凄味がある。
だから、腕のない和郎なんか、顔はかわいいのにぞわぞわした。
ふたりの桜もぞわぞわした。(双子が腰でくっついている)
そのぞわぞわが、ずっと続く。
この本、大事にしよう。
原作の、津原泰水という作家は初めて知った。
もうこれは原作も読まなければならん。