森見登美彦 四畳半神話大系 関西弁にしてみる
アニメが素晴らしすぎたので、原作ももちろん読む。
これで、小津や明石さん、樋口師匠がいつも私の手元に。
原作はアニメと異なり、4つの四畳半世界で成り立っている。
サイクリングのサークル・ソレイユや、ほんわかの飛行船などはアニメだけのエピソードのようだ。
…
…まじで?出来すぎだろアニメ。
私が森見作品をこんなに楽しめるのは、「京都に住んでいた」ことにも理由があると思う。
よく知っている場所が、 ぽんと登場する。
主人公の「私」が妄想の中で、「三条アーケード」を悠々と歩く。
(喫茶リプトンが登場していたので嬉しかった)
四条でも河原町でも新京極でも寺町でもない、三条。
そこにシブさを感じる。
京都駅で言ったら八条口、みたいな趣がある。
誰か解りますか。
そんなふうにして、京都も楽しめる。
で、ふと、「セリフが関西弁だったらどうなるのだろう」と思った。
京都だったら関西弁が必須だろう。
やってみた。
私は関西に住んでいますが関西ネイティブではないので、色々間違っているかもしれませんが。
「四畳半恋ノ邪魔者」より、「私」と小津が映画サークル「みそぎ」の新歓コンパ会場である鴨川デルタに向かって打ち上げ花火を発射するところのセリフ。
以下、「私」=青文字、小津=緑文字、でお送りします。
「本当にやんねんな?」
「天誅加えたるわって、昨日言ってましたやん」
「もちろん自分では天誅やって思てんねんけど世間の人間から見たらアホの所業や」
「世間気にして自分の信念折り曲げるんですか?僕が身も心も委ねたんはそんな人やありませんよ」
「やかましいわ」
「よっしゃ、やったるわ、行こか」
「どうや?」
「同回生のやつらはみんな居るな。ひひひ。でも相島先輩の姿が見えへんな。城ヶ崎先輩の姿もないわ」
「酒呑みのくせに宴会に遅れるてどういうつもりや。常識あらへんのか」
「あの二人がいいひんのやったら奇襲の意味ないやないか」
「あ、明石さんや」
「明石さんも来とんのか?」
「ほら、あそこの土手の上に座ってるわ。手酌で麦酒飲んでるわ。相変わらず孤高の風を貫きとおしてはりますねえ」
「立派やな。せやけどこんなしようもない宴に来んでもええんちゃうかな」
「彼女を巻き添えにするんは心苦しいですね」
…とまあ、小津の慇懃な敬語を残すとあまり関西弁にならないか、という…
そして、なんかやっぱり雰囲気出ない。
リアル京都なんかいらなかった。
森見ワールドの京都は完璧に完結していた。
でも関西弁にしてみる作業はなかなか楽しかった。
「有頂天家族」でもやってみようか。
さて、また京阪に乗って京都に行こう。