ただ読んだ本を記録していくだけのここ

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かわかみじゅんこ パリの鈴木家 下

パリの鈴木家 下

かわかみじゅんこの新刊だ!超嬉しい!うれしいうれしい。

上は持ってるんだよ。旧版の。

新装版の上下セットで欲しかったけど、貧乏だから我慢した。

 

これは、パリに移住した鈴木家のお話。ってそのままか。

主人公のヒロヤ(中学生)がパリで孤独を感じたりフランス美少女にときめいたり

一方面倒見がよくて恰幅のいい女の子が気になったり。

 

だけど今回は、ヒロヤのルミ姉さん(ギャル)とお母さん(ホンワカ主婦)のエピソードがすごくよかった。

 

ルミは、フランス女子である同級生と日本女子である自分を比べて劣等感に苛まれる。

グラマラスな同級生に囲まれて、こそこそと着替えをする。

顔も体も平面的。

ジーパンを買っても丈つめしないといけないし、はいても足の形が悪いからきまらない。

日本にいたときはイケてる方だったのに!!

…そんなときに、パリ観光に来ている日本女子(派手め)の団体を見つけたルミは思う。

「カラーリングした髪、カラコン、ムリヤリピンヒールはいて、

おーんなじバッグ、おんなじメイク…

なんか あたしたち(日本の女の子)って おもちゃみたい」

あー、わかるよ。わかる。

私もアメリカへ行ったとき、同じようなことを思った。

やっぱり欧米の人のスタイルって格別なんだった。

洋服って、欧米の人のためのものだったんだ。そらそうだけど。

日本に帰ると、日本人のスタイルのバランスの悪さをしみじみ感じた。

体は細いけど、頭が大きいよなあ…と痛感した。

特に痩せてて、普段はカワイイとしか思わない女子に対して。

これをかわかみさんは「おもちゃみたい」と表現してくれた。

ああ、まさにそれ、私が感じたのは、それだった!それが言いたかった!

だからといって、日本女子をディスっているわけではなく…

欧米人、彼らはすごいよね、という話です。

 

そしてお母さんの話。

お母さんは、買い物中、「冷凍食品専門のスーパー」を発見する。

店内に並ぶ冷凍食品を見て、

あら、イワシの開いたものもあるわ、これ便利!こんなのもあるのね!

ってテンションが上がるけど、

でもこれって、怠慢よねやっぱり…ってすぐにテンションが下がってしまう。

一方で、フランス女性たちはざくざくと、

冷凍食品を躊躇なくいっぱい買ってらっしゃるのだった!

そんななか、

「ママー、アイス買ってー」

「いいわよ、ベビーシッターさんと食べなさい

パパとママは今夜お芝居に行くからね」

「ママキレイ…」(唐突に)

「んー愛してるわ私の子猫ちゃん」

ってな母娘が。

そこでお母さんはハタと気付く。

「そうか

フランス女性が美しいのは

こういうものを利用して自分のための時間をちゃんと作ってるからなのね」

 へええ。そうなのか。日本と全然違うなあ。

本当に違う。

私、ベビーシッターさんを雇ってまで子供を預けて夫と外出、なんて思考、

たどり着かないよ。

 

 そもそもこの漫画は、

「老若男女が読める、日本とフランスのカルチャーギャップを紹介する、

というコンセプトで始まった物語」

なのだそうだ。

大成功ですやん、と私は思う。

漫画に出てきてるエピソードは、きっと、

かわかみさん自身がパリに住んでみて実際に感じたことばかりなんだろうな

エッセイ4コマの「パリパリ伝説」と通じるエピソードなんかもあって面白かった。

いきなり家族に向かって「パパ、ジュテーム…」とかいってキスしたりすんだよ。

フランス人って…ついていけない…

かわかみさんもこれにはついていけていなかった…

パリパリ新刊出ないかなあ。

 

私はかわかみさんの絵が大好きだ。

かわかみさんの描く人物の、

肘から下の腕、指、関節、横顔、女の子のふわふわした髪の毛。

 洋服を描く線が細いところとか。

 

あ、あと、男の人(ヒロヤんちの隣に住んでる眼鏡のにいちゃん)がレペット(バレエシューズ)履いてた、

ひゅう!!