綿矢りさ、しゃもじ
これを読んだんだけど
- 作者: 綿矢りさ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/05/08
- メディア: 文庫
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しゃもじは必ず濡らしてね
というメッセージをわたしは、綿矢りさから受け取った。
主人公の女の子は、同棲相手の家での炊事、きちんとしゃもじを濡らしてごはんをよそっていた。
綿矢りさの何年か前の作、「勝手にふるえてろ」の主人公の女の子は、しゃもじを濡らさずにごはんを盛る女に憎悪を向けていたのを私はよく覚えている。
おかげさまでしゃもじを濡らすたびに私は綿矢りさを思い出すことになり、それってけっこう毎日で、私はちゃんとしゃもじを濡らしていますよ、と、綿矢りさに報告している。脳内で。
だから、またしゃもじが出てきて私は嬉しい。
私の読書感想文はズレている
最近非常にそう思う。
自分の読書体験を、全然、うまいこと文章にできなくて、始終スベッている感じがする。
自分のためだけに記録してるんだからいいんだけど、やはりワールドワイドに発信しているからには、うまいこと綴りたい欲が出てきてしまって、気になる。
まあ、原因はわかっていて、私は本を、「面」ではなく「点」で読んでいるからだと思う。
ストーリーを追うよりも、このコマが好きとかこのエピソードがむちゃくちゃいいとか、このキャラクターが好きとか、このセリフがいいとか、手の描き方がとか、このキャラクター、アディダスのスタンスミス履いてる!わかってる!とか、このそういう細かなところばかりをみていて、そしてそこばかりに感動し、本質を掴めていないのだと思う。(現に、あらすじを説明するのが無茶苦茶苦手だ。オメガトライブなんて梶くんのことしか語れないくらいのひどさ)
読書メーターを見ていると非常にそう思う。
特にBLなんかは、私が持つ感想はかなり的外れな気がしてならん。
私って正統に楽しめていなくない…?なぜBLを読んでいるんだ…?と問答を始めてしまう。まだこの問答は脳内をさ迷っている。
直近で、「大胆不敵ラブコール」というBLを読んだ。
大胆不敵ラブコール (バーズコミックス リンクスコレクション)
- 作者: 塔サカエ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2016/06/24
- メディア: コミック
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というわけで、「大胆不敵ラブコール」は好みでした。
で、私がこの漫画の感想を書こうとしたら、「制服」のことについてに終始すると思う。(あらすじ…?は大体表紙のかんじだよ!)
最初は学ランだったメインカップルふたりが、途中で攻の子が転校してブレザーになるのだけど、この学ランからブレザーに変わるという変化が、ものすごい作用を引き起こしていないか!?受の子はもう学ラン似合いすぎててそれはそれでよいとして、攻の子、ブレザーになったとたんに私は彼のキャラクター性というものががっちりと掴めたんだよ!と私はガーガーと力説したいのだけど、これって、あまりストーリーと関係がないのだよね…。
あと、あとがきの作者さんがめちゃくちゃテンション高くて、面白い文章だったのがかなり良かったんだけど、これもむちゃくちゃ小さな情報で、いらないよね…?
読書メーターで、他の人の感想も目を通すのだけど、制服がどうの言ってるの私だけ。あ、ズレてる私、と。ピンポイントすぎる、私。
読書で、どこに目をつければいいのか全然わからん!
けど、もう仕方がないのでズレたまんま、いきます。
これから綿矢りさ、読みます。
ピンポイントでよみます。
オメガトライブ梶くんに救われた話
マンガワンというアプリで、オメガトライブが無料で全巻読めます。私は読んでいます。
初めて読みましたが面白いです。
- 作者: 玉井雪雄
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2004/11/30
- メディア: コミック
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今、オメガトライブのあらすじ云々はおいておいて、私は、オメガトライブのキャラクター、元暴走族の梶秋一くんのセリフに救われました。
梶くんは、母親が嫌いです。嫌いどころか憎んでいて、殺す、とまで思っています。母親は、ある新興宗教に入信していて、子供の頃に嫌なことをたくさんさせられてきました。
そんな梶くん、小学生の時に、豆腐屋のなんとか君から、母親の悪口を梶くん自身に面と向かって言われました。「人殺し」「詐欺師」「インチキ神様」などなど。全部大当りだったそうです。現在、その豆腐屋のなんとか君は、二丁目で働いているそうです。梶くんが、玉を二個、「すり潰した」からだそうです。
大人になった梶くんは叫びます。
「ぶっ殺したい程憎んでる親でも、他人様に悪く言われちゃ玉二個くらい覚悟しろよ、ってこーいうこった。」
私は今まで「親の教育がわるい」というふうに罵られたことが数回あって、そいつらのことは絶対に許さないと思っていました。
確かに私の失態で、相手が怒るのは当然だったと思うようなことでした。だとしても!!!親は関係ねーだろ!!私だけを罵れよ!!と思うのでした。
親を持ち出してきた人は、たぶん私を傷つけるために言っていたのでしょう。私をこてんぱんにするために。ああ、こてんぱんにされましたよ。精神が粉々になりましたよ。大成功だね。やったね。
だから、梶くんの「殺したい程憎んでる親でも」のセリフで「私はやっぱり怒ってよかったんだ」と確信したのです。
梶くんありがとう。次はあなたに倣い、玉をすり潰します。女性だったらどうしましょうか。
たそがれたかこ8巻 喜怒哀楽が激しくなってきたたかこさん
- 作者: 入江喜和
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/09/13
- メディア: コミック
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たかこさん、一花をみて「キモイ」と言った男子生徒にブチギレ。いや、面と向かってではなく、そのあと話した教師にぶつける。「ふざけんな、童貞うばってやろうかコノヤロー」と、思いました。って。
たかこさんは、かなり感情の起伏が激しくなっていて、たぶん今まで怒ったり怒鳴ったりはしゃいだりしたことがなかったんだろうなあと思う。
ナスティインコもとい谷在家光一との出会いによって、もたらされた変化だね。
あまりにも乱高下する自分の感情についていけてなくて、それで涙がでたりするんだろう。
いままで生きてきて色々と不満があったのに言えなくて、でもそれは言い方やタイミングがわからなかったからだ。
本当はずっと不満に対して怒ってて、それが今、爆発している感じがする。
怒ってもいいんだと、わかったんだと思う。
これからどんどん怒ってほしい。
(更年期とかも原因かな…?まだ更年期を経験していないのでわからないけど)
たかこさんは、碧海に彼女らしき影があったりで落ち込んだりするけれど、一花ちゃんは憧れのマキちゃんとお近づきになって劇を見に行ったりして、元気になっていきそうな予感。
マキちゃんにときめく一花ちゃんはかわいい。元々宝塚ファンだったりして、観劇には慣れているようす、何か刺激を受けるのはいいことだ。うれしいな。
ま、最後は不穏な感じだったが…
私も色々、ふざけんなって怒りたいよ…
たそがれたかこは大好きだな…
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きのうなに食べた?12巻、ごはんはおいておいて
- 作者: よしながふみ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/10/21
- メディア: コミック
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よしながふみの漫画読んでて思うのは、言葉遣いがとても丁寧だということ。
きちんとした大人が、教養をもって、喋っている、という雰囲気が出ていて心地良い。
シロさんとこの弁護士事務所に新しく来た事務員の山田さん。スカートのチャックがあいているとか、ドアに指をはさんで怪我してしまうとか、抜けているところはあるんだけど、気が利いて、仕事はできる。
彼女が、「どうぞ行ってらして下さい」とか「あら!ご存じありません?」とかさらって言うのが、とてもいい。
志乃さんは最初から言葉遣いが綺麗だし、ほかに佳代子さんも「明日も大勢いらっしゃる予定なの!」とか普通に言っているし、すごい、私そんな言葉遣いしてない…とシュンとなる。
このことに一番最初に気付いたのは「西洋骨董洋菓子店」の小野のセリフ、「いくら短い期間でもあんな接客をしてしまったらその間に訪ねてらしたお客様は二度とこの店には来て下さらないよ」というもの。なんて丁寧なのー!とびっくりした。
よしながふみは、なんとなく、厳しく育てられたのかな…なんて思うのだった。
いやはやでも、志乃さんはすごい。
子供ができる前から、きちんと子供ができたときの想定をして上司に相談するなんて。
佳代子さんに感心していたむかし
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